鳥取市役所 鳥取砂丘・ジオパーク推進課様より、「光のタワー」計画の中止が決定された旨、ご連絡をいただきました。IDA東京が公表した懸念文書を含め、多方面からの懸念の声を真摯にお聞き入れいただいたものと受け止め、適切・迅速なご対応に深く感謝申し上げます。代替イベントと共に行われる「鳥取砂丘光のアートフェア2015」がより環境に配慮した形で実施され、成功裏に開催されることを祈念いたします。
2015年5月30日 国際ダークスカイ協会東京支部(IDA東京)
鳥取市役所 鳥取砂丘・ジオパーク推進課様より、「光のタワー」計画の中止が決定された旨、ご連絡をいただきました。IDA東京が公表した懸念文書を含め、多方面からの懸念の声を真摯にお聞き入れいただいたものと受け止め、適切・迅速なご対応に深く感謝申し上げます。代替イベントと共に行われる「鳥取砂丘光のアートフェア2015」がより環境に配慮した形で実施され、成功裏に開催されることを祈念いたします。
2015年5月30日 国際ダークスカイ協会東京支部(IDA東京)
国際ダークスカイ協会東京支部は、鳥取市が鳥取砂丘で計画している「光のタワー」について、光害の観点から懸念を表明し、周辺の生態系や天体観測などへの影響を十分に検討した上で、抜本的に見直されることを望みます。
夜間の屋外照明は我々の生活に不可欠なものですが、過剰あるいは不適切な設置・運用方法である照明は、光害(ひかりがい)と呼ばれる様々な問題を引き起こします。具体的には、夜行性生物や昆虫・植物などの生態系への影響、人間生活や健康への影響、エネルギーの浪費、天体観測への影響などが挙げられます。
本計画のように、指向性の強い投光器で天頂の1点に向け光を放っても、その1点だけが照らされるわけではありません。遠方からでもその光線がはっきりと目視できるならば、相当量の光が大気中で散乱し、周囲の空間が散乱光で満たされています。雲による反射・散乱があると、光はさらに拡散します。散乱の程度は大気中の微粒子や雲の量で大きく変動し、どの程度の範囲がどの程度の明るさとなるか、定量的に予測を示すことは容易ではありません。しかし、月明かりのみに照らされていた自然本来の暗さが失われ、自然界とは全く異質のLEDの光が相当な広範囲に行き渡ることは、疑う余地がありません。
本計画は、自然豊かな地方で行われるものとしては過去に類を見ないスケールであり、その影響の程度は推測の域を出ません。しかし、科学的根拠や過去の多くの事例より、以下のような影響が生じる可能性が考えられます。
これらの影響は、点灯時間を短くしたり、光量を減らすことで、軽減されることは言うまでもありません。しかし、たとえ数分間の点灯でも、影響が完全にゼロになることはありません。
環境省が制定した「光害対策ガイドライン」(平成18年12月改訂版)では、良い照明環境とは『人工光によって造られる光環境のうち、周囲の状況(社会的状況及び自然環境)に基づいた適切な目的の設定と技術により、安全性、効率性、快適性の確保と同時に、景観や周辺環境への配慮が十分なされている環境』と定義されています。そして、屋外照明を計画・設置する際には「照明環境設計者」を置き、計画の初期段階から「屋外照明等設備チェックリスト」に基づく確認作業を実施することが推奨されています。また、『照明設備周辺に生息する保護するべき動植物の有無を調査するとともに、その影響のメカニズムをよく理解し、それぞれ個別に対策を検討すべきである。』と述べられています。屋外で大量の人工光を使用するイベントを、プロポーザル選考で選定するのであれば、その選考段階から環境への影響を念頭に置き、環境および照明の専門家の意見も聞いた上で、決定することが望まれます。
鳥取は、都会では経験できない豊かな自然・美しい星空を持つ地域です。山陰海岸国立公園には、数多くの絶滅危惧種*を含む貴重な生態系や、鳥取砂丘**をはじめとする自然のままの壮観な風景が広がっています。また、鳥取市南部の佐治町では、その誇るべき美しい星空から、光害を防止するための「ソラクライ・プロジェクト」を展開されている、と伺っております。どうか改めて、その素晴らしい自然環境・星空環境を地域の財産と再認識され、本計画が地域の価値を損なわないよう計画の抜本的見直しを実施し、再度光害の防止・啓発に舵を切っていただくことを期待いたします。
*) 鳥取砂丘には動物のみで環境省版レッドリスト掲載種12種、鳥取県版レッドリスト掲載種17種が生息。
**) 鳥取砂丘は環境省特別保護地区であり、そこに生息・生育する動植物へ悪影響を及ぼす行為は許されない。また鳥取砂丘に隣接する多鯰ケ池は,11月から12月にかけて冬鳥として飛来する水鳥類の重要生息地である。
以上、情報提供:鳥取大学地域学部 鶴崎展巨教授
Facebookページはこちら
https://www.facebook.com/ochi.nobuaki/posts/685011994937633
(2015.5.21 13:40追記)
一点、訂正します。提案されているランプは、LEDではなくキセノンランプだそうです。14日に電話で問い合わせた際には、LEDとの返答でしたので、本文にはそのように記載しました。
国際ダークスカイ協会東京支部は、先日報道された富士山ライトアップ計画*に対し、光害の観点から懸念を表明し、環境や社会に与える影響をさらに検討した上で再考されることを望みます。
光害(ひかりがい)とは、街灯や商業施設の看板照明等が、不適切な設置・運用方法である際に起こる、さまざまな環境問題・社会問題の総称です。照明は日常生活に不可欠ですが、過剰な明るさや目的外の方向を照らす照明は、安全性の向上には何ら役立ちませんし、貴重なエネルギーの浪費でもあります。また、夜間に強い光を浴びることによる健康被害、まぶしさや侵入光といった生活環境の劣化、夜行性生物や昆虫などの生態系への影響、夜空の方向への光漏れにより星が見えにくくなることなどの影響が、多くの事例や科学的根拠に基づいて実証されています。建築物やモニュメント等の夜間演出の手法である「ライトアップ」も、対象物の文化的価値に基づいた明確な目的や周辺環境との調和を十分に考慮してデザインされたものでなければ、光害となる可能性があります。
生態系への影響の事例を挙げると、夜行性生物の生活圏消失、昆虫の誘因・生息分布の変化、概日リズムに基づいたさまざまな行動パターンの破壊、などがあります。ホタルやカエルなどは、暗がりでのみ求愛行動を取ります。渡り鳥は、上空へのサーチライトに引き寄せられ光にトラップされてしまいます。これら全てが、生態系のバランスの崩壊に繋がる危険性があります。生物にとって、夜本来の暗闇は非常に重要なものです。我々人間は、自然界への影響ができるだけ小さくなるよう十分配慮した照明を使うことが求められます。
富士山は、日本の象徴であると同時に世界遺産でもあり、その貴重な自然環境を含め国民共有の財産です。太陽光に照らされた雄大な姿、ほの暗い月光にたたずむ優美な姿は、自然に対する畏敬の念を起こさせます。報道された記事によると、実験計画では富士山から20km離れた地点に設置したLED照明装置を使い、山頂付近をライトアップするとのことです。私たちはこの計画に文化的な価値を見いだせず、自然界にとって大きな損害をもたらすものと考え、危惧の念を抱きます。
*) 参考記事:中日新聞(2015年3月18日)『LEDで富士山ライトアップ 20年実現へ』
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20150318/CK2015031802000100.html
この度IDA東京では、八重山諸島の「ダークスカイ・プレイス」認定を見据え、石垣島(3/11)・西表島(3/12)にて一般講演会を実施しました。石垣島会場には45名、西表島会場には66名もの参加があり、熱気に包まれました。
(西表島東部地区の人口は約900人。参考:西表島ねっと)
【講演会の詳細】
http://www.darksky.jp/?p=570
【メディア報道】
NHK沖縄放送局 2015.3.12 お昼のニュース『石垣で”光害”考える講演会』
八重山日報 2015.3.12 『「光害」テーマに講演会-越智代表「人体への影響も」』
八重山毎日新聞 2015.3.13 『ダークスカイ協会「暗い夜空を観光資源に」-不要な照明、生態系にも影響』
(関連コラム)沖縄タイムス 2015.3.17 『[大弦小弦]やんばる勤務を終え…』
第7回eco壁新聞コンクール(主催/全国銀行協会、共催/朝日小学生新聞、後援/朝日新聞社)の入賞者が発表され、9266作品の応募から選ばれた入賞18作品の中に、光害を採り上げた作品が選ばれました。
壁新聞のタイトルは「聞いてよ!生き物の話新聞 ~光害を知ることから始めよう!~」で、主にウミガメへの影響についてまとめ、光害をもっと広く知ってもらうことが生き物の保護に繋がる、と結んでいます。
作者の中田つぐみさん(小5)は、英検のテキストで光害について知って関心を持ち、IDA東京事務局に取材に訪れ、1時間以上にわたって熱心にインタビューをしてくれました。光害から生き物を守りたいという熱意が、この素晴らしい作品に表れていると思います。つぐみさん、おめでとうございます!
第7回eco壁新聞コンクール 入賞作品発表
http://www.zenginkyo.or.jp/eco/kabeshinbun/winning2014.html
(作品の拡大画像も見ることができます。優秀賞の3段目右)
AMラジオ・文化放送の、環境がテーマの番組「いとうせいこうGREEN FESTA」2015年2月2日放送分のオープニングトークにて、GLOBE at Night キャンペーンをご紹介いただきました。
いとうせいこう氏からは、「アプリを使って星の見え方をみんなで報告していく、なかなか面白い発想だ。」「これをしに、ちょっと遠くに行って星を見たりすると、子供たちも楽しいんじゃないか。」などのコメントをいただきました。
GLOBE at Night について http://www.darksky.jp/gan/
光害調査アプリについて http://www.darksky.jp/?p=528
IDA東京は、日本テレビの社会貢献番組「People Magnet TV」のメンバーとして登録されています。
この度、インタビュー動画5本が公開されました。
vol.1 “世界基準”のダークスカイプレイス認定を目指す
http://pmtv.jp/channel/contents/m95.html
vol.2 八重山諸島の星空は“日本の宝”
http://pmtv.jp/channel/contents/m96.html
vol.3 “必要な光”と“無駄な光”のバランスとは?
http://pmtv.jp/channel/contents/m97.html
vol.4 東京で“天の川”が見えるような世界を取り戻したい
http://pmtv.jp/channel/contents/m98.html
vol.5 『夜空の明るさ世界同時観察キャンペーン』実施!
http://pmtv.jp/channel/contents/m99.html
People Magnet TVウェブサイト
http://pmtv.jp/
IDA東京のページ
http://pmtv.jp/members/9_007